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SUS製ガイド部品製作に必要な加工能力・高精度加工のポイント

ステンレス製ガイド部品の加工事例

電子部品や半導体の搬送・位置決め・検査に欠かせないガイド部品。とりわけ耐食性や強度が求められるステンレス(SUS)製のガイド部品は、高い寸法精度と特殊形状の両立が必要です。本コラムでは、ステンレス製ガイド部品の製作に必要な加工能力と、高精度加工を実現するポイントを解説します。

ガイド部品とは|電子部品・半導体の搬送と位置決めを支える部品

ガイド部品とは、ワークを正しい経路や位置へ導き、搬送・位置決め・案内を行うための部品です。電子部品や半導体の製造ライン・検査ラインでは、製品を傷つけずに安定して流す、あるいは決められた位置に正確にセットするために、さまざまなガイド部品が用いられています。

ガイド部品には、高い寸法精度と、用途に合わせた特殊な形状が求められます。ワークと直接接触して位置を決める部品であるため、わずかな寸法のずれや形状の乱れが、搬送不良・位置ずれ・ワークの傷といったトラブルに直結するからです。だからこそ、ガイド部品の製作には、確かな加工精度と、複雑形状を作り込む技術が欠かせません。

当社が主に手掛けるガイド部品|ステンレス(SUS)製ガイド部品

ひとくちにガイド部品といっても、その材質や形状はさまざまです。当社(精密加工部品特急センター)でも、SKD11・超硬・スミカスーパー(樹脂)など、多様な材質によるガイド部品・治具を数多く手掛けています(SKD11製ガイド部品の製作についてはこちら)。そのうえで本コラムでは、ステンレス(SUS304・SUS440C等)製のガイド部品に絞って解説します。

ステンレス製のガイド部品は、耐食性・強度・非磁性といった特性が求められる搬送・検査用途で広く選ばれます。一方で、ステンレスは加工が難しい材料でもあり、高精度に仕上げるには相応の設備とノウハウが必要です。以降では、その加工能力と高精度加工のポイントを順に見ていきます。

ステンレスがガイド部品に選ばれる理由と加工の難しさ

ステンレスがガイド部品に選ばれるのには、明確な理由があります。まず、優れた耐食性により、長期間の使用や洗浄を伴う環境でも錆びにくく、品質を保ちやすい点が挙げられます。SUS440Cのような高硬度系であれば強度・耐摩耗性に優れ、繰り返し接触するガイド面の摩耗を抑えられます。また、SUS304等の非磁性は、電子部品・半導体の搬送で磁気の影響を避けたい場面で重宝されます。

一方で、ステンレスは代表的な難削材でもあります。加工硬化を起こしやすく、削った表面が硬くなって工具を傷めやすいこと、熱伝導性が低く加工熱がこもって変形を招きやすいこと、粘りがあるためバリや構成刃先が生じやすいことなど、加工上の課題が多くあります。さらに、薄板を溶接して形状を作る場合は、溶接熱による歪みが精度を大きく左右します。こうした難しさがあるからこそ、ステンレス製ガイド部品の製作には、設備力と工程設計のノウハウが不可欠なのです。

ガイド部品の加工業者を選ぶチェックポイント

ガイド部品、とりわけ難削材であるステンレス製の部品は、加工業者の技術力によって仕上がりが大きく変わります。発注先を選ぶ際は、次の観点で見極めることをおすすめします。

1. ステンレス(難削材)の加工実績が豊富か

加工硬化や熱の問題を抱えるステンレスを、安定した精度で加工してきた実績があるかは重要な判断材料です。SUS304・SUS440Cなど、グレードごとの特性に応じた加工経験があるかを確認しましょう。

2. 複雑形状を固定する治具を自社で製作できるか

溝が多い部品や薄肉部品は、加工中の把持(固定)が難しく、ワークが歪んだりずれたりしがちです。ワークを歪ませずに保持する特注治具を自社で設計・製作できる業者は、難形状でも高精度を出せます。

3. 複数の加工法を社内で組み合わせられるか

マシニング・ワイヤーカット・研削・溶接などを社内で一貫して組み合わせられる業者は、工程設計の自由度が高く、形状や精度の要求に柔軟に対応できます。

4. 薄板・高硬度など難易度の高い形状に対応できるか

薄肉ポケットや薄板溶接、深穴など、難易度の高い加工の実績があるかを確認しましょう。対応範囲の広さが、そのまま技術力の証明になります。

5. 仕上げ品質・検査体制・短納期力があるか

ワークを傷つけないための面取り・鏡面加工、仕上がりを保証する検査体制、そして仕様変更の多い現場に応える短納期力も、業者選びの大切な観点です。

ステンレス製ガイド部品製作に必要な加工能力|当社の設備力

精密加工部品特急センターを運営する株式会社理工電気がステンレス製ガイド部品で高精度を実現できる背景には、超精密加工機を中心とした設備力があります。代表的な加工能力は、次の3点に集約されます。

1. マシニング・超精密加工機による「高硬度材の直彫り」と「3D曲面加工」

高硬度で加工硬化を起こしやすいSUS440Cなどのステンレス材に対し、毎分6万回転クラスの高速主軸を備える超精密加工設備(芝浦機械 UVM-450Dやハイスピードミーリングセンタなど)を活用し、高精度な切削を実現します。当社が特に強みとするのは、深穴・薄肉ポケットの直彫り加工と、3Dデータを用いた曲面加工です。直彫りでは、SUS440C製ガイドにおいて幅12.9mm・深さ13mmの深穴を直彫りで実施し、側面の肉厚がわずか0.5mmという薄い箇所でも寸法精度±0.01mmを維持しています。これにより放電や磨き工程を省略し、リードタイムを短縮しました。曲面加工では、SUS440C製のワークガイドで突起部分とベース部分を一体で削り出し、3Dデータを用いたマシニング加工で曲面部分を面粗度Ra0.2にきれいに仕上げています。

2. 超精密ワイヤー放電加工機と「特注固定治具」による極薄板・微細加工

水圧や熱で歪みやすい極薄のステンレス板材には、ソディック製などのワイヤー放電加工機と、独自の治具ノウハウを組み合わせて対応します。たとえば、厚さ0.15mmの極薄SUS304-CSP材をワイヤー加工する際は、水圧でワークが落ちたり歪んだりするのを防ぐため、同厚のシムテープ2枚の間にワークを挟み込んで固定する独自の工夫を行っています。これにより、図面公差±0.05mmに対し、穴径・外周ともに±0.003mmという極めて高い精度を実現しました。また、SUS440C製ガイドでは、検査パーツを入れるための抜き穴を、穴全体の角度を30度ずつずらしながら、隅に逃げを設けてワイヤーカットで高精度に仕上げる加工にも対応しています。

3. 溶接設備と治具技術による「薄板の熱歪み抑制」

切削や放電だけでなく、ステンレス薄板の溶接を伴うガイド部品においても、高い設備運用能力を発揮します。厚さ0.1mmのSUS304薄板を丸形状に溶接するガイド部品では、熱による溶接歪みを最小限に抑えるため、溶接時のワット数調整や専用治具の用意など、工程全体を最適化することで、きれいな真円形状を確保しています。

このように、当社の設備力は、単にハイエンドな加工機を保有していることだけにとどまりません。ステンレスの特性(熱歪み・加工硬化・薄板の強度など)に合わせて「いかにワークを保持し、最適な工法(直彫り・ワイヤー・複合)を選択するか」というエンジニアの知見が伴ってこそ、設備が活きます。その知見、すなわち高精度加工のポイントを次にご紹介します。

高精度加工を実現するポイント|当社のノウハウ

優れた設備を最大限に活かし、ステンレス製ガイド部品の精度を引き出すために、当社は次のポイント(ノウハウ)を重視しています。

1. ワークを歪ませず固定する「特注治具の自社製作」

ガイド部品は複雑な形状が多く、溝加工が多い製品では加工中にワークがずれやすいという課題があります。当社はワークを歪ませず保持する特注治具を自社で設計・製作し、マシニング加工・ワイヤーカット・研削を最適に組み合わせる複合加工によって、寸法公差±0.002mmという高精度を実現しています。把持の工夫こそが、難形状でも精度を出せる土台です。

2. 最適な工法を選択する「工程設計」

同じ形状でも、直彫り・ワイヤー・複合のどの工法を選ぶかで、仕上がりの精度と納期は大きく変わります。当社は部品ごとに最適な工法を見極め、たとえば直彫りで放電や磨き工程を省いてリードタイムを短縮するなど、精度と短納期を両立する工程設計を行っています。

3. 材質ごとの熱影響を回避する「加工条件の選定」

ステンレスは加工硬化しやすく、切削熱や溶接熱による変形が起こりやすい材料です。当社は長年の知見から、材質や形状に応じて切削条件・溶接条件を最適に選定し、熱影響による変形・加工硬化を回避しながら、要求精度を引き出します。

4. 対象物に傷をつけない「精密な面取り・鏡面加工」

搬送・検査に使うガイド部品では、接触するワークに傷をつけないことが重要です。当社は精密な面取りや鏡面加工に対応し、ワークを傷つけない高品質な仕上げで、現場の要求に応えています。

これらの設備力とノウハウを掛け合わせることで、当社は高精度なステンレス製ガイド部品を、仕様変更の多い電子部品・半導体業界においても短納期で提供しています。実際の製作事例をご紹介します。

ステンレス製ガイド部品の製作事例

事例1|ガイド部品

SUS404C製ガイド 穴開け加工事例


SUS404C製ガイド 穴開け加工事例
品名 ガイド
材質 SUS440C
業界 電子部品
加工精度 ±0.01mm

こちらはSUS440C製、電子部品向けガイドの加工事例です。ガイドに検査用のパーツを入れるための抜き穴が必要とのことで、すべて同じ寸法で抜き穴を加工いたしました。抜き穴は各穴に隅の逃げを4か所開けて、ワイヤーカットで仕上げています。この加工事例のポイントは、写真のように穴全体の角度を抜き穴ごとに30度ずつずらしている点です。

事例2|ガイド部品

SUS440製ガイドの直彫り深穴加工


SUS440製ガイドの直彫り深穴加工事例
材質 SUS440C
サイズ 15×20×30
業界 電子部品
形状 ポケット加工
加工精度 ±0.01mm

本加工品におけるポイントは、幅12.9mm・深さ13mmの深穴加工を直彫りで行っている点です。また、側面の肉厚が0.5mmほどと薄いところでも、直彫り加工で寸法精度を維持している点もポイントといえます。直彫り加工は仕上げ加工レスにつながるため、工程集約による納期短縮を実現できます。

事例3|ガイド部品

電子部品向け 薄板SUS304ガイド部品加工事例


電子部品向け 薄板SUS304ガイド部品加工事例
材質 SUS304
サイズ Φ60×40
業界 コネクタ・半導体
形状 特殊形状加工
加工精度 一般公差

写真の加工事例は、精密加工部品特急センターが手掛けた電子部品向けのガイドです。加工におけるポイントは、t=0.1mmの薄板SUS304の素材を溶接している点です。求められる精度は一般公差ですが、薄板を溶接するとなると溶接歪みが発生するため、写真のようにきれいな丸形状を出すことは難しいといえます。そこで当社では、溶接歪みを考慮し、溶接時のワット数や工程の配慮・治具の用意などを行うことで、歪みを抑えた溶接を実現しています。

「複雑形状のステンレスガイドを歪みなく高精度に作りたい」「薄肉・薄板の難しい加工を任せたい」「仕様変更に合わせて短納期で調達したい」——そうしたご要望に、専門の技術力とスピードでお応えします。図面はもちろん、現品やサンプルからのご相談も可能です。まずはお気軽にお問い合わせください。

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