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HPM75の加工ポイントについて解説!

HPM75は、高硬度・高耐摩耗性に加えて非磁性という特性を持つ、優れた材料です。しかし、その加工の難しさから、高精度な部品を製作するには高度な技術とノウハウが必要です。本記事では、HPM75の切削加工を成功させるためのポイントを紹介します。HPM75の特性や切削加工の難しさ、高精度加工を実現するための秘訣、そして精密加工部品特急センターの実績まで、詳しく解説いたします。

HPM75とは?特徴と切削加工が難しい理由を解説

HPM75は、日立金属株式会社が開発した高硬度・高耐摩耗性のマルエージング鋼です。高い強度と靭性を持ちながら、非磁性であるという特性から、航空宇宙、医療、半導体など、幅広い分野で利用されています。焼入れ性を高めるためにモリブデン、バナジウム、コバルトなどの合金元素を添加したマルエージング鋼であり、時効硬化処理によって、さらに硬度と耐摩耗性を向上させることができます。

 

 

<HPM75の特徴>

  • 高硬度・高耐摩耗性:HRC38~45の高硬度と優れた耐摩耗性を有し、過酷な環境下でも長寿命を維持できます。
  • 非磁性:磁性を帯びないため、MRIなどの医療機器や、磁気の影響を受けやすい電子部品などに使用できます。
  • 高強度・高靭性:高い強度と靭性を兼ね備えているため、衝撃や振動に強く、破損しにくい材料です。
  • 耐食性:一般的なステンレス鋼と同等の耐食性を持ち、腐食しやすい環境下でも使用できます。

 

<HPM75の切削加工の難しさ>
HPM75は、高硬度・高耐摩耗性である反面、切削加工が難しい材料としても知られています。加工硬化を起こしやすく、工具の摩耗が激しいという課題があります。そのため、高精度な加工を実現するには、高度な技術とノウハウが必要です。

  • 加工硬化:切削加工によって材料が硬化し、工具への負荷が増加するため、工具寿命が短くなる傾向があります。
  • 工具摩耗:HPM75の硬度が高いため、工具の摩耗が激しく、加工精度や表面粗さに影響が出やすいです。
  • 切削抵抗:切削抵抗が大きいため、加工機の能力が低いと、びびり振動が発生し、加工精度が悪化する可能性があります。
  • 発熱:切削時に発生する熱が工具やワークに影響を与え、寸法精度や表面粗さが悪化する可能性があります。

 

また、HPM75は、航空宇宙、医療、半導体などの分野で、高精度な部品に加工されることが多いため、寸法精度や表面粗さを厳密に管理する必要があります。高精度な加工は、部品の性能や信頼性を左右する重要な要素となります。

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HPM75の切削加工のポイント

HPM75の切削加工を精度良く行うには、材料の特性を理解し、適切な加工方法を選択することが重要です。加工硬化や工具摩耗などの課題を克服し、高精度・高品質な加工を実現するためのポイントを以下に紹介します。

 

<適切な工具の選定>

HPM75の切削加工には、超硬合金やサーメットなどの耐摩耗性に優れた工具材料が適しています。また、工具形状やコーティングも重要な要素となります。切削条件や加工精度に応じて、最適な工具を選定する必要があります。

 

例えば、高精度な加工には、ダイヤモンドコーティングを施した超硬エンドミルが有効です。また、加工硬化を抑制するために、切れ刃の形状を工夫した工具や、クーラントを効果的に供給できる工具なども開発されています。

 

<最適な切削条件の設定>

HPM75の切削加工では、切削速度、送り速度、切込み量などの切削条件を適切に設定することが重要です。切削条件が不適切な場合、加工硬化や工具摩耗を引き起こし、加工精度や表面粗さが悪化する可能性があります。

 

最適な切削条件は、材料の硬度、工具の種類、加工機の能力などによって異なります。経験豊富な技術者が、加工状況を監視しながら、適切な切削条件を設定することが重要です。

 

<高精度な加工機>

HPM75の切削加工には、高精度な加工機を使用することが重要です。加工機の剛性や精度が低い場合、びびり振動が発生し、加工精度が悪化する可能性があります。

 

最新鋭の工作機械は、高剛性、高精度、高出力であり、HPM75のような難削材の加工に適しています。また、熱変位を抑制するための冷却システムや、振動を抑制するための防振対策なども重要です。

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